言いたいところですが、東京でも積雪するぐらいの雪が降って、暦の上ではもう
春なんですが、まだまだ最低気温が2℃なんて感じなので、冬が去り春が間近に
近付いているのを実感することができるのは一週間後ぐらいでしようか。
とはいえ、南からの暖かい空気が流れ込むようになると春は一気に進みます。
すると野草や山菜が次々に芽吹くシーズンになり、海の中でも多くの種類の魚類
や貝類が産卵の時期を迎えて旬の時期がやってきます。
産卵前の一番栄養が充実している時が、食べて美味しい旬の時期になりますから
産卵を間近に控えたタイは「桜鯛」と呼ばれて珍重され、旨味の充実する貝類も
特に春の味覚として重要視されています。
貝類の中でも、ポピュラーな品種であるアサリやハマグリも、これから6月中旬
ぐらい(潮干狩りシーズン)までが、一番美味しい時期にあたります。
ということで、春に旬になる二枚貝の話を書きます。
アサリは「砂浜を漁る」と大量に捕れたことから漁り=アサリと呼ばれるように
なったと言われるほど、潮干狩りでも簡単に獲れました(有料の潮干狩り場では
早朝のうちに養殖したアサリを撒いているところも多かった)が、防波堤建設や
海岸線の埋め立てや干拓などによって天然のアサリは激減し、稚貝の増殖事業で
養殖したアサリも黒鯛やツメタガイ、ヒトデなどの食害で潮干狩りどころか販売
の需要を満たすことも出来ない状態になっています。
不足する分で活きた貝は韓国や中国からの輸入で対応し、ボイル加工して冷凍で
流通しているものは中国やベトナムで現地加工をして輸入したものです。
コハク酸とグリコーゲンが主な旨味成分でスープや汁物に向いているのはご存じ
の通りで、韓国料理のキムチチゲやスンドゥブチゲには重要な材料です。
春からの旬の時期は産卵前なので大量の餌を摂取することから、アサリの生息地
の一部の地域において毒性のあるプランクトンが発生した場合には、その海域の
アサリは毒性を持つようになるため豊漁でも食用にならないことがあるので価格
が下がることはほとんどない存在になっています。
毎年、どこかの地域で発生する問題ですが、プランクトンはいつまでも継続して
毒性を持つわけではありませんので、無毒宣言が出た後は、全く問題なく食べる
ことが出来ます。(時期によっては風評被害が出るのが残念です)
次に、ハマグリですが、こちらは「ひな祭り」に欠かせない食材として3月3日を
ピークに非常に需要が高まるので、これから価格が上がります。
古く、万葉集の時代(奈良時代末期)から「貝合わせ」という遊びに用いられて
いたという話が伝わっているので古い時代から食用とされてきた貝です。
ハマグリは、貝殻の合わせ目がピッタリと重なるものは、一組だけとされており
夫婦和合の象徴として婚礼の椀物に使われることも多い食材ですが、同じく貝殻
が隙間なくぴったりと合わさるという特性が、バージニティ(処女性)の象徴と
みなされて「汚れのない女性であるように」という祈りを込めて、女の子の節句
の食材とされているわけです。
余談ですが、このように二枚貝が女性器を表わすという考え方は、日本だけでは
なく色々な国や地域でも伝承や比喩的な表現として散見されます。
民俗学に興味のある人は、一度調べてみると面白いかと思います。



私自身も特別に好物というわけではないので、要求しません。
たまの外食で味噌汁がシジミの赤出汁だと、ちょっと嬉しいかな。
昨年の初夏に養殖ホタテ(まだ稚貝サイズ)がかなり鯛の食害にあって海水温の高温障害と合わせて甚大(壊滅的)被害に遭いました。
コメントありがとうございます。
>nice!です。我が家の子どもは男子だけだったので、蛤は出ませんでした(笑)。
男の子はちまきと柏餅ですが、ちまきは忠義心の象徴、柏餅は子孫繁栄、家督相続の象徴らしいです。現代社会とはそぐわない感じですね。
コメントありがとうございます。
>祖母の嫁入り道具に、貝合わせのような道具があったような・・。
貝合わせを入れた貝桶は夫婦円満を願う、嫁入り道具だったようですね。江戸時代には上流階級の婚礼でもっとも重要な道具だったとされています。
コメントありがとうございます。
>我が家では妻が貝が苦手なので食事で提供されることはありません。
>私自身も特別に好物というわけではないので、要求しません。
>たまの外食で味噌汁がシジミの赤出汁だと、ちょっと嬉しいかな。
縁起物というか、無垢が重要視された時代の伝統・伝承が残っているのだと思います。
コメントありがとうございます。
>ホタテの稚貝も鯛が嚙み砕いて食べちゃうんですよね~
>昨年の初夏に養殖ホタテ(まだ稚貝サイズ)がかなり鯛の食害にあって海水温の高温障害と合わせて甚大(壊滅的)被害に遭いました。
黒鯛は釣り師に絶大な人気があるので、各地の漁協が遊漁船のお客を獲得するために盛大に稚魚を放流していたのも黒鯛を増殖させた原因の一つだと言われています。
遊漁船の船頭さんと養殖で生計を立てている人は、どちらも漁師ですが利益相反みたいなことになってしまったみたいですね。
黒鯛は雑食で歯が強いので、もっとも悪役になってしまいました。