「味噌煮込み」とか「味噌かつ」という言葉が連想されるかと思います。

子供の頃から味噌かつは、このような黒い濃い味噌でした。
「矢場とん」の味噌かつは個人的には味噌だれが薄いのでダメなんです。
その基本的な素材として必要なのが味噌ということで、名古屋=味噌みたいな
見方がされていますが、実際のところ名古屋市が、愛知県の県庁所在地なので
代名詞的に名古屋と言われているものの愛知県内で豆味噌を使った郷土料理は
他にもありますので、愛知=味噌が実態に近いのではないかと思います。
日本全国には麦味噌や米味噌、大豆を使った豆味噌などいろいろな種類の味噌
があり、それぞれに製造方法や材料の調合に秘伝の技が入っていたりします。
一般的に味噌は大豆で作られていると思われていますが、日本で作られている
味噌の約8割は米味噌(白味噌)です。
外食をした時に供されることの多い赤だし味噌は、豆味噌と米味噌を調合した
もので、豆味噌の渋みや酸味が緩和されるので万人向けの味になります。
赤だし味噌という製品名で「だし」という言葉は入っていますが、メーカーに
よって製法が違うので、「だし」入りと入っていないものがあります。
いろいろな味噌の中で愛知県の味噌として知られているのが八丁味噌です。
黒いと表現されますが、豆味噌の中でも特に色が濃いのが特徴であり、赤味噌
と呼ばれる一般的な豆味噌との違いがわかりやすいとも言えそうです。
愛知県に住んでいながら、八丁味噌とは割と縁遠い(お値段がお高めなので)
というのが現実なんですが、岡崎市のカクキューという会社では、工場見学を
することが出来るという情報を知り、岡崎まで工場見学に行きました。
名鉄の岡崎公園前(特急は止まりません)で降りて、駅を出たら左に曲がって
愛知環状鉄道のガードをくぐって右に曲がり、ゆっくり歩いても約5-6分程で
着きますから、近くて分かりやすいです。
カクキューの手前にある「まるや八丁味噌」のみそ蔵見学も可能ですので時間
に余裕のある人は両方見ても良いかも知れません。
見学は毎時00分(土日祝は00分と30分の二回)にスタートしますので、5分前
までに売店で受付をして、案内をしていただきながら見学が出来ます。
史料館に迎う途中で製品のパック詰めの様子を見られますが、土曜日に行った
ために工場はお休みということで、機械だけを見ることが出来ました。
史料館で最初にあるのが看板(JR岡崎駅に掲示してあったものとのこと)
四角の枠の中に「久」の文字が入ってカクキューです。
カクキューの語源は、今川義元の家臣だった早川新六郎勝久が、桶狭間の合戦
で今川義元が討たれたのを機会に侍を廃業して、早川久右衛門に名前を変えて
寺で味噌づくりを学び、その技は代々受け継がれて数世代を経て、江戸時代に
なってから岡崎城から八丁(約870m)離れた八丁村で、1645年に味噌造りを
始めたことから八丁味噌になり、久右衛門からカクキューになったわけです。
家業として始めたのは1645年ですが、久右衛門と名乗って味噌造りを始めた年
が1560年なので、463年ですね。看板は六百余年になっていますが、その辺は
スルーということにしておきましょう。
ここまでで、かなり長くなってしまったので続きは次回にします。
味噌や醤油って生まれたちの味がその人のベースになるようで地域性がものすごく現れますね
全国展開しにくい分野だそうです
コメントありがとうございます。
八丁味噌は渋みと酸味があって独特の風味がありますから、ダメな人は
絶対ダメなんじゃないかなと思います。
特に九州は麦味噌の地域が多いので、赤だし味噌はダメだと言う人が
知り合いの中にもいますね、逆に赤だしで子供の頃から慣れていると
麦味噌は甘くて個人的には合わないです。
醤油も関東の主流であるキッコーマンと、関西と言うか醤油で知られた
小豆島のヤマサでは、それぞれに地域色があるのかな、と思いますが
愛知県にはイチビキとサンビシがあるので、キッコーマンもヤマサも
買うことはなく、イチビキの二度仕込み醤油が常備品になっています。
それだけ、それぞれの地域の好みに合わせていると思うので、仰る通り
全国展開してトップブランドになるのは難しそうですね。