カナダのボンバルディア社によって開発・販売が行われている機体で、DHC
という機体の型式は現在の会社名になる前が、デ・ハビランド・カナダという
会社名だったので、その頭文字を合わせたものです。

ボンバルディア社は、ボーイング社とエアバス・インダストリーの大手二社が
主に130席以上の乗客数を想定した飛行機を製造販売している航空機メーカー
であるのに対し、この二つの巨大企業が製造をしていない小型のプロペラ機や
ビジネスジェット機、そしてリージョナルジェットと分類されている旅客機を
製造することで競争の激しい航空機業界で一定の位置を保っている会社です。
ライバルとされている、エンブラエル社(ブラジル)と、このクラスの機体の
需要を占有してきた感じがありますが、数年前から中国企業が開発中の飛行機
と、日本の三菱重工業が三菱航空機という会社を設立して開発している新型機
が小型機ビジネスに参入して約3,000機とされている需要の争奪戦が激化する
と予測されていましたが、ボンバルディア社はエアバス・インダストリーとの
提携により双発の新型機の販売に力を注ぎ、エンブラエル社はボーイング社と
事業統合をするという方向に向かっていましたが、ボンバルディア社の経営が
不安定なためCS300という機種名をエアバスA220に変更して、エアバス社の
飛行機として販売していますし、エンブラエル社とボーイング社の事業統合は
破談になり、小型機の完全な勝ち組はまだ存在していません。
という製造会社の話はともかく、この機種は日本においても全日空と日本航空
の子会社で運航されていますが初期型のQ100とQ300は退役済で、割と新しい
Q400が運航されています。
全日空の子会社のエアーセントラル(現在はANAウイングス)の機体で着陸時
に前輪が出なくなったため胴体着陸をするという事故がありましたが、機長の
適切な操縦により機体は破損しましたが、負傷者は出ませんでした。
ちょうどボンバルディアの機体のトラブルが続いていた頃のことでしたが結局
その後も運航停止になるようなことはなく、現在も飛んでいます。
私が乗ったのは、日本エアコミューターの大阪・伊丹発、鹿児島行きの往復と
全日空の中部国際空港発、仙台行きの片道です。
仙台の時は帰り便が満席だったので、東北新幹線(満席だったため立ち席)と
東海道新幹線を乗り継いで帰るというなかなか時間的に厳しい移動でした。
プロペラ機だとジェット機よりも静かなイメージがありますが屋根に翼があり
エンジンが真横にあるので、想像よりもうるさい機体でした。
プロペラ機とはいえ、レシプロエンジンではなくターボプロップエンジンだと
いうことで、速度が速く、ジェットエンジンの機種とあまり変わらないという
高性能が評価されて数多くのトラブルを乗り越えて今でも運航されていますが
個人的には次はもうないかなと思っています。